ぼくの かんがえた さいきょうの ラズパイ クラスタ(物理(要資格 〜 その1 構想編

仕事だったり趣味だったりでラズパイやら Arduino やら M5Stack やらをたくさん稼働させている人も多いと思います。 私もそうです。

常時稼働させる台数が増えてくると AC アダプタやら USB ケーブルやら LAN ケーブルやらでごちゃごちゃになりがちですよね。 ラズパイクラスタを稼働させていたり、Arduino や M5Stack などを使っていろいろなプロトタイピングを並行して行っていたりするときっとみなさんも同じようなお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

そんなお悩みを解決するべく、こんな感じのものを作ってみました。

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なんでこんなものを作ろうと思ったか、どうやって作ったか、作るまでの紆余曲折などを(だいぶ長くなりますが)説明してみたいと思います。

そんな話には興味はない、ラズパイクラスタをもっと詳しく見せろ、という方は その 3 へ一気に進んでください。

ラズパイタワーの弱点

私が勤めている会社の運用チームでは「ラズパイタワー」なるものを作って運用していて、日々ネットワークの監視やサービスの正常性の確認に役立っています。

個人でも自宅用にラズパイタワーを作って Kubernetes やろうかなーとか思ったこともあったんですが、ラズパイタワーにはいくつか問題がありました。

中でも個人的に懸念したことのトップ 3 が以下の通りです。

  1. 電源まわりがカオスになる

    • AC アダプタがでかくて邪魔
    • ケーブル類の長さが中途半端だったりして持て余してごちゃごちゃになりがち
  2. USB からの電源供給だと電力不足になりがち

  3. タワー状に積み重ねると放熱が心配

放熱に関しては、なるべくならラズパイが水平方向に並ぶ状態(ラズパイ自体は平置きじゃなくても良い)がいいなぁと思っていました。(つまり下の図の左側ではなくて右側の状態)

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放熱のイメージ図
(緑色の四角がラズパイの基板のつもりですw)

Kiskstarter で見つけた CloverPI

そんなある日私は CloverPI というプロジェクトを Kickstarter で見つけて喜び勇んで Back しました。

電源ケーブルEthernet ケーブルそれぞれ 1 本ずつで 4 台の Raspberry Pi を動かすことができます。 これはスマートだと思いました。

・・・しかし、CloverPI の出荷が始まったという知らせを受けた直後くらいに、CloverPI を受け取って動作確認を行ったユーザーから「基板の電源周りから出火した」という問題が報告され、それ以降 Creator による更新が途絶えてしまい、連絡がつかなくなってしまったのです・・・

私の手元にはまだ現物は届いていません。😭

Turing Pi

その後私は Turing Pi という製品も見つけました。

これは Raspberry Pi Compute Module を使ってクラスタを構築するものです。 既に持っている Raspberry Pi を搭載させることはできませんが、今後購入する Raspberry Pi をすべて Compute Module にすればよいので次善の策かとも思いました。USB も(7 台中 4 台は)使うことができそうですので、USB タイプの LTE モデムを接続したりもできそうです。

Turing Pi は ITX マザーボードと同じサイズのようなので ITX 用ケースに入れられそうなのも魅力的でした。

私の心は半分くらい Turing Pi を購入する方向に傾きかけていて、ITX のケースや電源を Amazon で探したりしていました。

DIN レール

調べていくと、ITX ケースの中には、DIN レールというものにマウントすることができるものもあるようだということを知りました。

このときの私は恥ずかしながら DIN レールというものを知らなかったのですが、調べてみるとなかなか便利そうです。

さらに調べていくと、DIN レールにマウントできるスイッチングハブなんかもあるようです。

ラズパイを DIN レールに直接マウントするマウンタAmazon で見つけました。このマウンタ、実は Arduino UNO / Mega 等や BeagleBone などもマウントすることができます。

Web で検索してみると DIN レールにマウントできるスイッチング電源もたくさん種類があることがわかりましたので、それを使えば AC アダプタでテーブルタップまわりがごっちゃごちゃという状態も避けられるんじゃないかと思いました。(そのかわり電源ケーブルは自分で配線しなければならなくなりますが)

スイッチング電源の容量を大きいものにすれば、1 台のスイッチング電源で 3〜4 台のラズパイを駆動することも造作無さそうです。 さっと探してみた感じ、DC 5V / 10A で出力できるスイッチング電源が 3,000 円 〜 4,000 円くらいで購入できそうでした。 Raspberry Pi 4B では、5V / 3A 出力できる USB アダプタが必要ですがこれをラズパイの台数分そろえることを考えたら少し安い印象です。

ここまできたらもう私の心はスイッチング電源、スイッチングハブ、ラズパイをそれぞれ DIN レールにマウントして理想のラズパイクラスタを作るという妄想でいっぱいになりました。

その 2 へつづく