コロナ禍以降、オンラインでのミーティングが多くなりました。
「この人の音声、聞き取りづらいことが多いな」とか逆に「この人の音声はすごくクリアで聞き取りやすいな」と感じること、ありますよね?
この違いはどこから来るのだろうか?自分の声は相手に聞き取りやすく届いているのだろうか?
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
もちろん機械に高いお金を掛ければいい音になるはずです。でも、世の中にはたくさんのマイクやらヘッドフォンやらスピーカーやらが存在しており、何を選べば快適にオンラインミーティングを行うことができるのでしょうか?
そう思っていろいろ試行錯誤した結果たどり着いた、今のところの答えは、ずばり
を利用することです。(もちろん今後私の経験や知識のアップデート、技術の革新などで最適解は変わる可能性があります)
この記事の残りは、その答えにたどり着いた理由とそこに至るまでの経緯をご説明します。
初期 - 内蔵スピーカー&内蔵マイク
いちばんはじめの頃は、特にこだわりもなかったので mac や PC に内蔵のスピーカーとマイクを利用していました。
たまに相手の声が聞き取りづらいとかこちらが言ったことが相手に聞こえづらかったといったようなことは起こっていましたが、そういうものだと思ってあまり気にしていませんでした。
しかしコロナ禍になり、オンラインミーティングの機会が急激に増加したことでだんだんとそういう小さなことであっても回数が増えるとストレスに感じるようになりました。
あとになって気づいたのですが、この内蔵スピーカー&内蔵マイクという構成には致命的な問題があります。
それは、スピーカーの音を常にマイクが拾っている状態である、ということです。これは物理的にしょうがないことなので通常はエコーキャンセラー機能が働くようになっていて問題は起こらないはずなのですが、PC の負荷が高い状態とかだと少し処理が遅れたりするからなのか、エコーキャンセラーがうまく働かず、一瞬だけ音声がループして聞こえる状態になることがあります。自分が話した内容が相手のマイクに拾われて自分に聞こえること、たまにありますよね?それは相手の PC でそのエコーキャンセルの失敗が起こっているということです。自分の環境でも起こっていないとは考えづらいので、他の人に迷惑をかけていることもあるかもしれないわけです。
これはスピーカーもマイクも PC 本体に内蔵されているという構造上、物理的に避けようがない欠点です。
他にも、細かいですがこの構成には以下のような問題があります:
- ❌ 通常は PC から少し離れたところで発話する(画面や PC 本体に数 cm 程度まで顔を近づけて話をする人はいませんよね?)と思うので、その音声を拾うためと思われますがマイクの感度が高く設定されているのか集音性能の良いマイクが使われているようで、周りの音(近くの席の人の声や物音)もたくさん拾ってしまいがちで、静かな部屋でないと雑音が多くなることがあります。
- キーボードを叩く音やマウスをカチカチする音、机にものを落とした音などが拾われたりして耳障りなことも多いです。
- ❌ ミーティング参加者の中の誰か一人でもこの内蔵スピーカー+内蔵マイクの(もしくは後述する同等の)構成の人がいて、その人が何か喋っている途中で他の人が不規則発言をすると、音声がごちゃっとなってかき消されてしまい(エコーキャンセラーの機能にも限界がある)、「今なんて言ったんですか?もう一回言ってもらっていいですか?」となりがち。(もしくはよくわからなかったけど聞き直すのも面倒なので聞こえたフリをしがち)
- ひとりずつ順番に発言すればよいだけ、と言われればそうなのですが、リアルに会って話をしているときとの一番大きな違い、スムーズなコミュニケーションの阻害要因がこの点だと思います。
この欠点はスピーカーフォン等も同じで、スピーカーから出る音(他人の声)と自分の声が同じ空間を利用する、言い換えると同じ空気を振動させる構成になっている以上は物理的に避けようがありません。
ということでこの致命的な欠点を避けるためには、マイクがスピーカーの音を物理的に拾わないようにしないといけないというのが絶対条件になります。
もちろん、通信環境の問題や PC のメモリ不足など他にも音声が乱れたり途切れたり聞き取りづらくなってしまう要因はあるのですが、それはそれとして別途解決するとして、そういった条件が理想的な状態になったとしても音響機器の問題で音声が聞き取りづらくなってしまうとしたらもったいないことです。
というわけで、ここから私的にベストな音響機器を探し求める試行錯誤が始まったのです。
マイク付きイヤフォン(有線)時代
スピーカーとマイクとが音が伝わる空間を共有してしまう問題を回避する方法として簡単なのが、有線接続でインナーイヤータイプのイヤフォン(マイク付き)を mac や PC に接続して使うことです。
こんなやつ↓
このタイプは何より比較的安価に入手できるのが良いところです。スマホに付属してきたものを使いまわしたりもできます。 マイクは PC 内蔵マイクに比べて口元近くにあり、周りの雑音を拾いにくいですし、イヤフォンとは物理的に少し離れているので(細い線でつながってはいますが)イヤフォンから発せられる音を(シャカシャカ音漏れするくらい大音量にでもしない限り)マイクが拾うこともなさそうなのでエコーキャンセラーの問題も心配が少なく、相手の声が聞きとりづらくなるようなことが減った感じがします。
今でも外出先とかではこのようなマイク付きイヤフォンでミーティングすることもあります。
しかし、この方式の最大の欠点は、長時間になると耳穴が痛くなるということです。
特に夏場はミーティング続きでイヤフォンをつけっぱなしだと耳の中が蒸れて痒くなったりしました。
また、マイクは口元に近いところにあるとはいえ、耳から垂れ下がっている状態なので、ちょっと体を動かしたりしたときに服と擦れてガサゴソと雑音が入ってしまうことがあります。
また有線タイプのイヤフォンは充電の必要がなく、ズボラな私にとっては便利なのですが、イヤフォンを使おうとしたときに線が絡まってしまっていて解くのに手間取ったり、席から立ち上がろうとしてイヤフォンをしていることを忘れていて線が引っかかってしまったりといった不便な点がありました。
有線ヘッドフォン+内蔵マイク時代
イヤフォンは耳穴を塞ぐ形になるので痛くなったり痒くなったりしてしまいますが、ヘッドフォンであればその問題は解消するかと思いイヤフォンをやめてヘッドフォンにしてみたこともあります。
言うまでもありませんが、こういうやつ↓
しかしヘッドフォンはすぐにダメだとわかりました。イヤーパッドで耳全体が覆われていますが耳全体が蒸れるようになっただけでした。しかも私は一般的な人より頭が大きい(頭囲64cm)ので、ヘッドバンドの締め付けもキツく、耳の周りや頭が痛くなりました。
また、耳全体が覆われるためか、自分の発した声がこもって聞こえる感じがして違和感があったのと、周囲の音が聞こえづらくなるので来客(玄関チャイム)に気づかないことがあるといった弊害もありました。
軽いタイプを試してみたり、耳全体を覆うのではなく耳の上にフィットする感じのヘッドフォン(↓のようなやつ)なども試してみましたが、耳や頭の痛さは解消されずダメでした。
有線タイプのヘッドフォンは有線イヤフォンと同じく配線の問題もありました。
それでも無線タイプは過去にちょっと充電の面倒さでトラウマがあってなるべく避けたいという思いがこのときはまだありました。
(充電ケーブルが USB ではなく特殊な形状の専用のものだったり、単に充電しわすれていていざというときに電池切れで使えなかったり、等)
また、この方式だとマイクは PC 内蔵のものを使うので、周囲の雑音を拾いやすいといった問題は一部残ります。
耳掛けヘッドセット時代
そこで次はヘッドセットを購入してみました。コールセンターのオペレーターさんや飛行機のパイロットが使ってそうな感じの、ヘッドフォンにマイクのアームがついているタイプのものです。
こんな感じの↓
だだしヘッドフォンはネックバンドタイプ(耳に引っ掛けるタイプ)でオープンイヤー型のものにしました。長時間装着していても耳や頭が痛くなりづらいだろうと期待してのことです。
実際に買ったのはコレ↓
結果として、ヘッドフォンやイヤフォンほどの不快さはありませんでしたが、やはり長時間つけていると耳にヘッドセットを引っ掛けている部分が少し痛むのと、意外な欠点としてマイクのアームに手が触れてしまうということがありました。
私はミーティング中にあれこれ考えると顔を触ってしまうというクセがあるということにこの時初めて気づきました。そしてそのクセで顔を触るときに手がマイクアームにあたってしまい、雑音が入ってしまうという問題に繋がりました。
また、ネックバンドが椅子のヘッドレストと干渉するという問題もありました。
ちなみにヘッドセットタイプはマイクの音質が比較的良いようで(口元にマイクがあるためと思われます)、ミーティング相手からも音声が聞き取りやすいと言われました。しかし、上記 2 点がどうしても気になってしまい、次の候補を探すことにしました。
USB ダイナミックマイク + オープンイヤータイプのイヤフォン(無線)時代
マイクを口元近くに配置する+音は空間に漏らさないという2つの条件を実現する構成として、いよいよ専用のマイクを使うことを考えました。ユーチューバーとかが使ってそうなやつです。
マイクを選ぶ上で、大きく分けてダイナミックマイクと呼ばれるタイプのマイクとコンデンサーマイクと呼ばれるタイプのマイクの 2 種類があることを知りました。
それぞれ長所・短所があるようですが、コンデンサーマイクは感度が良い反面、ノイズも拾いやすいとのことだったのでダイナミックマイクを使ってみることにしました。
値段はピンキリですが、高価なマイクの中には USB 接続ではなくXLR と呼ばれる端子で接続するものがあったりするので注意が必要です。それを PC に接続するには別の機器が必要となり、追加の費用がかかります。USB 接続可能なものを選びましょう。
また、マイクの指向性(カーディオイド)もいくつかのパターンがあります。ミーティング用で PC の前で自分一人がしゃべる音声を拾うことができればよいので、単一指向性のマイクが良いと思います。
今回は音響に詳しい同僚の勧めもあって、SHURE の MV7+ という機種にしました。妻には「ユーチューバーになるの?」と言われました。
これをフレキシブルアームタイプのマイクスタンド等を使って口元近くに配置します。
買ったのはコレ↓
机に置くタイプのマイクスタンドだと、キータイプ音とかを机経由で拾ってしまうとの情報があったので、マイクは浮かせて配置するのがよさそうということからフレキシブルアームを使うことにしました。
上から提げるような形で配置できるアームはかっこいいですが、Web カメラに写り込んでしまったり画面を見る際に邪魔になりそうだったので、下からマイクを支える形のアームにしました。
音を聞く方は今度は耳掛け式のオープンイヤータイプの無線 (Bluetooth 接続) イヤフォンにしてみました。
買ったのはコレ↓
耳掛け式のイヤフォンであれば、耳穴が痛くなるとか蒸れるといったこともありませんし、かなり軽いので重さによる問題もないか大幅に軽減されそうですし、ヘッドバンドやネックバンドに起因する問題も起こりません。そしてついに覚悟を決めて有線を諦め、無線タイプにしました。無線タイプのイヤフォンは最近は専用のケースにしまっておくと充電されるものが多いようで、充電し忘れは防げそうでしたので私の懸念はある程度払拭されました。無線にして最大のメリットは、線に起因するいくつかの問題が起こらないということです。数メートル程度であれば机から離れても接続が途切れることもなく、ミーティング中に少し動き回れるというのは思った以上にメリットでした。
結果としてこの構成は自分としてはだいぶ快適だったのですが、オープンイヤータイプのイヤフォンは耳元に小さなスピーカーを置いているようなものなので、若干の音漏れがあります。そしてマイクが口元近くにあり、すなわち耳元にも比較的近い所にあるということなので、その音漏れをマイクが拾ってしまうようで、「空間を共有しない」という原則に反してしまっているということに気づきました(マイクのインジケーターがその音漏れに反応して光っていたので気づくことができました)。
これではエコーキャンセラーがその仕事を失敗したときに音声がエコーしてしまうことになり、ミーティング参加者の音響体験を下げることになってしまいます。
そんなわけでその問題を解決する答えをまた探すことになりました。
USB ダイナミックマイク + 骨伝導タイプのイヤフォン(無線)時代 - 現在
空気を共有しないためにはもう骨伝導タイプにするしかないだろう(骨伝導であれば空気を振動させるわけではないので)、という結論に達し、いろいろ探してみたのですが、有名な Shokz の骨伝導イヤフォンはすべてネックバンドタイプでした。ネックバンドはヘッドセットのときに懲りたので、できれば片耳づつ掛けられるセパレートタイプかつ骨伝導タイプのイヤフォンが良いなと思って探しましたが、これがなかなか見つかりません。
骨伝導タイプはオープンイヤータイプなどのように耳掛けにするのが技術的に難しいのかもしれません。肌に密着させなければ音が伝わらないからなのか、はたまた消費電力などの問題なのか、理由はわかりませんが、とにかく検索しても全く出てきません。
実際には検索すると Aliexpress などでわんさか出てくるのですが、それらは実際には骨伝導ではなくてただのオープンイヤータイプのイヤフォンなのです。堂々と骨伝導とか Bone conduction とか書いているのに届いてみたら普通のオープンイヤータイプでガンガン音漏れするやつを騙されて1つ買ってしまいました・・・
何ヶ月か時々思い出しては検索してみて、やっと見つけたのが以下の製品です。
これも届いてみるまでは本当に骨伝導かどうか不安がありましたが、届いた製品を見る限り、確かに空気で音を伝えるための穴のようなものは見当たりませんでしたので骨伝導っぽい感じがします。実際に音を鳴らしてみると、耳のあたりの皮膚にピッタリとくっついていなくても、耳の近くにあるだけで音は聞こえてしまいます。つまり音漏れはします。本体が振動することで空気も振動してしまうのだと思います。しかしながら実際に装着しながら音を鳴らしてみてもマイクのインジケーターを見ると音漏れを拾っている感じはしないので問題は解消されている気がします。
まとめ
というわけで、現在 2025 年末時点での私的にベストな組み合わせにようやくたどり着いた感じがしています。ですが、冒頭にも書いたように今後私の経験や知識がアップデートされたり技術革新が起こったりしたらベストな答えが変わっていくかもしれません。
できればオンラインミーティングに参加する人全員が可能な限り「マイクとスピーカーが空気を共有しない方式」でミーティングに参加して欲しいと思います。なぜなら、一人でも「空気共有方式」の参加者がいると、それだけで音声が壊滅することがあり、ミーティングの効率を下げてしまうからです。 イヤフォンやヘッドフォンを装着しても頭や耳に問題が生じない方はそれでも良いでしょうし、ヘッドセットでマイクアームに手があたってしまうという問題が起こらない人はそれで良いと思います。みなさんそれぞれベストな方式を見つけてほしいと思います。 もしくは、「こんな方法もあるよ」といった情報があればぜひ教えてください。
この記事がみなさんのオンラインミーティングの音響体験を少しでも改善する一助になればと願っています。


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